『“弱肉強食”か”共栄共存”か』
厳しい業界事情
これは、整備工場を営む友人が、Facebookにアップした1枚の写真。
「これからどうなるんだろう?」
と、先行きを案じていた。
ここに書いてある内容を要約すると
「ポルシェの部品もボルボの部品も、来年からは、お前らには売らないからねぇ~!」
というもの^^;
BMWとAudiも、そう遠くない将来、同じ様なことになるでしょう。
メルセデスは既に、部品の供給が難しくなっています。
実は、この問題は、今に始まったことでは無いんです・・・。
部品だけでは無く・・・
大抵の整備工場は、新車や中古車の販売もしています。
ただ、ディーラーでは無いので、販売権を持っていません。
そのため
ディーラー→整備工場→エンドユーザー
という流れで、お客様の下に、新車が届きます。
これが所謂
“業販”
と呼ばれる物です。
しかし、数年前から、輸入車メーカー全般で、整備工場等への“業販”をSTOPしました。
レクサスは、立ち上げの時からでした。
最近は、トヨタも完全にSTOPしていませんが、その傾向が強いです。
「自動車は、買うのも直すのも、メーカー系ディーラーで!」
という、お客様の『囲い込み』なのです。
その反面で
我々、整備工場を『販売協力店』や『特約店』と呼んで、とても協力的なメーカーもあるんですよ。
日産、スズキ、ダイハツと言ったメーカーは、寧ろ、支援してくれています。
特に、スズキ自動車の鈴木修会長は、我々を浜松の本社に招き
「みなさんあってのスズキ自動車です!」
と、直々に声を掛けて下さるほどです。
(実際に、スズキ自動車の直販率と業販率は50:50なのだそうです(゜Д゜))
この差って、何なんですかねぇ~(笑)
今年3月にあった『特約店大会』の時の写真です。
左が鈴木修会長ですね^^
『囲い込み』という名の鎖国
まあ、メーカーやディーラーとしては、当然の施策ですね。
自分たちのお客様を、自分たちの手で守っていくわけですから。
私だって、ディーラー勤務時代は、そう思ってました。
「え?整備工場?関係無いっしょ!」
まさか、自分が整備工場に勤めるとは思わず、ブーメランになって、私の所に返ってきました(笑)
でも、立場が変わって、ようやく気付いたんです。
クルマに乗る人は、新車のお客様だけじゃありません。
中古車のユーザーもいれば、自分が海外から輸入した並行車のユーザーもいる。
ディーラーの“手”から、こぼれてしまうユーザーもいらっしゃるのです。
今、メーカーが、ディーラーがやっていることは、本当にお客様のためになっているんでしょうか?
本当にこれで良いのか?
自動車業界という広い“枠”で捉えたら
自動車業界に限ったことではありませんが、やはり“人手不足”なのは、間違いありません。
特に、メカニックの人手不足は、慢性的に続いています。
メカニックの仕事って、大変なんです。
リアルに“3K”ですから・・・(T_T)
いや、実際には、5Kか6Kかも^^;
これは、整備工場に限ったことでは無く、ディーラーも同じことです。
もう、“分捕り合戦”状態。
以前は、ディーラーと整備工場は“共栄共存”でした。
板金、塗装、数が多くて手が回らない時は、車検だって整備工場へ外注に出していました。
それがいつしか、メーカー主導で
「ディーラーの利益は、メーカーのインセンティブに頼らず、自分たちで稼いで下さい」
というお達しが出て
「全部、自分たちで稼ぐぞ!」
と、ディーラーの社長さんたちが舵を切ったことで
“外注切り”
が始まったのです。
その頃、私はディーラーで、上位の成績を上げていました。
でも、外注業者さんからのご紹介や、外注業者さん自体からも新車を購入していただくケースもありました。
そんな関係にあったにも関わらず
「お前らは、簡単に下請けを切るんだな(怒)」
と、きつーーーいことを言われたことがありました。
そりゃそーですよねぇ^^;
「会社が決めたことなので、申し訳在りません(o_ _)o」
としか、言えませんでした・・・_| ̄|○
でもね、こんな状況ですから、もう一度
一緒に、手を携えてがんばれないですかねぇ?
「仕事をくれっ!」ということじゃなく、お互い協力した方が、自動車業界のためになると思うのです。
お互いが協力することで、技術を高め合うことだって出来ると思うのです。
マニュアル一辺倒の“頭でっかち”メカニックでは無く、色んなクルマに触れることで、培ってきたノウハウが、整備工場にはあります。
縮小していくマーケットを“弱肉強食”状態にしても、あまり明るい未来は見えません。
一人勝ちしても、そこから先は、無いのですよ。
そういう舵取りが出来るのは、豊田章男社長しかいないと思うんだけどなぁ・・・。