『横浜Denaベイスターズに見る“強いチーム作り”』
言わずと知れた“弱小球団”だった
CSでの快進撃が止まらない。
今日の試合に勝てば、19年ぶりの日本シリーズ進出だ。
そう、あの“大魔神”佐々木や“満塁男”駒田、そして“ハマの番長”三浦大輔、他にも石井琢朗、鈴木尚典がいた時代。
「権藤、権藤、雨、権藤」の権藤博が監督だった。
でも、栄華を極めたのは、その年だけ。
その後、マルハからTBSと親会社が変わり、暗黒時代が訪れた。
(写真は“閑古鳥”のイメージです)
それが、親会社がDenaに変わり、監督に中畑清を迎え、若手を起用し続け、少しずつ球場に足を運ぶファンも戻ってきた。
でも、成績は最下位→5位→5位→最下位。
ファンは以前より増えたものの、成績は相変わらず。
そこへ、昨年からアレックス・ラミレス監督を迎え、初のCS進出。
巨人を破り、ファイナルまで進んだが、広島に敗れて、夢は潰えた。
今年も、前半戦に苦戦を強いられたりもしたが、昨年同様3位。
今日に至ったのである。
疑問の多かった、ラミレスの監督起用とその采配
一部のファンやスポーツ新聞、評論家からは
「コーチの経験すらまともに無いのに、監督なんか無理だ」
と言う意見が出ていた。
そして、シーズンが始まり、連敗したりすると
「あそこで、あんな采配はおかしい」
とか
「監督が無能だから勝てない」
という、采配批判が起きた。
それは、去年も今年も、あまり変わらない。
「勝ったのは、選手のおかげ。負けたのは、監督のせい」
というのは、どの球団でもあるし、プロ野球では“お約束”でもある(笑)
監督の経験も無いのに、監督より偉そうなことを言うファンは、どのスポーツでも見られる光景だ。
それが今や・・・
この変わり様だ(笑)
どのメディアでも、褒める褒める^^;
「勝てば官軍、負ければ賊軍」
とは、よく言ったものだ。
終始、一貫した采配
この2つの記事は、ラミレス監督の就任直前のインタビューだ。
この中に、2年間変わらないスタンスがある。
『コンスタントに勝ち続けることができるチーム作り』です。そのためには、“選手が信じ続けられるチーム”を作ることです。負けが込んできても『オレたちは勝てる』、『また自分たちを浮上させられる』と、ポジティブな雰囲気で全員が『本当に勝てるんだ』と信じ続けられるようなチームを作るということです。
スポルティーバより
そのために、ラミレス監督が取った方法は
- 梶谷を2番に起用
- センターライン(キャッチャー・二遊間・センター)の固定
- 適材適所の選手配置
- 目の前の試合にも拘るが、1年を通しての采配(選手の休息や投手起用)
- 選手への『揺るがぬ信頼』
こんな感じだろうか。
周囲の雑音は(気にはなっているだろうが)気にせず、ただひたすら、選手のやりやすい環境を作り、選手に寄り添ってきたのだろう。
素晴らしい指揮官である。
監督と選手を結ぶ“強い絆”
「常にいい雰囲気でやらせてもらったと、選手全員が感じていると思います。監督自身、チームの調子がいいときも悪いときもまったく変わらなかったので、選手たちは迷わずにプレーできた。自分たちにはわからない苦しみを背負い、我慢していることもたくさんあったと思うのですが、それを表情や言葉にまったく出さない。本当に尊敬できる方ですし、すごい監督だなって思います」
筒香選手の談話(スポルティーバより)
羨ましいまでの監督に対する信頼感。
「数字だけを見れば、ずば抜けた選手はいないのですが、ほかのチームと比べてケガ人が少なく、高いパフォーマンスを出せたことがこの結果につながったと思います。これを可能にしたのは、監督の選手に対する信頼ではないでしょうか。一見、セオリーがあるのかないのかわからないと思いますが、監督のなかには確立したものがあり、選手たちはそれに応えようとする」
青山総合コーチの談話(スポルティーバより)
ラミレス監督の考えを裏付ける、側近の話。
この関係性、素晴らしいと思いません?
自分は、そこまで出来なかった
私が『指揮官』だった頃、『選手(スタッフ)』をそこまで、信じ切れませんでした。
恐らく、自分のことも信じられなかったのだと思います。
プレーヤーとしては、ある程度の成績は残せたものの、人を育てたり、チームを作るということが、そこまで難しいとは、思っていなかったのかな^^;
「俺なら出来る!」
という、妙な自信だけはあったけど・・・。
ラミレス監督は、全てに於いて準備、分析を怠っていない。
全ては“裏付け”を基にして、考え、行動している。
今回、色々と調べて、本当によく分かりました。
これからの自分の行動、チーム作りの参考になりました。
やはり
信頼
が大事ですね。
さあ、CSファイナル第5戦も始まりました。
今日、決めてくれ!